質問
① 半日休暇付与と時間単位付与を共存させる場合、半日単位=4時間相当と規定した場合であっても、年次有給休暇の時間単位付与(年5日以内)とは別個のものとして取扱って差し支えないでしょうか。
② 半日休暇付与を認めず、時間単位付与に併合させる場合、半日単位付与を時間単位付与の中に含めることにより、法律上の問題が生じるおそれはある のでしょうか。
回答
①について
半日単位付与と時間単位付与の関係については,両制度は異なるものとして理解されており,厚労省のQ&Aにも「半日単位の年次有給休暇を取得しても,時間単位で取得できる時間数に影響を与えるものではありません。」と記載されています。
したがって,半日単位(4時間相当)と規定した場合でも、時間単位付与(年5日以内)とは別個のものとして取り扱って差支えないと思います。
②について
半日休暇付与を認めず,時間単位付与に含めることも可能と考えます。半日休暇付与については,行政解釈の緩和を理由にこれを認めるのが通説・裁判例ですが,「使用者は労働者に半日単位で付与する義務はない」(昭24.7.7基収1428,昭63.3.14基発150・婦発47)とされておりますので,1労働日未満の単位での取得に応じるかどうかは使用者の意思に委ねられます。
ただし,これまでの慣習によっては,半日休暇付与を認めないことが問題となる場合もあります。すなわち,半日休暇制度が,就業規則や取扱実態に照らして,すでに確立した慣習となっているといえるような場合には,労使間において,法定年休と同様に半日年休を認める約定があると解されることもあるようですので注意が必要です(東京地裁平成7年6月19日・労働判例678号18頁)。