紛争の内容
依頼者の方は、1年間の有期雇用契約満了後に、勤務先と3年間の有期雇用契約を締結した方です。
契約期間の途中、残り1年2ヶ月となったところで、突如、解雇を通知されたという事案です。
交渉・調停・訴訟などの経過
勤務先は、当初は解雇理由を明確にしていませんでしたが、後に、解雇理由は、職務怠慢と協調性が無い点である、と述べてきましたが、これは事実無根でした。
そこで、解雇無効=雇用契約の確認と賃金の支払いを求めて、労働審判を申し立てました。
本事例の結末
期間の定めのある有期雇用契約の途中で解雇をするには、「やむを得ない事由」が必要とされており、雇用主に厳しいとされる一般的な解雇事由よりも、さらに厳しく制限されます。
本件では、そもそもの解雇理由となった事実がありませんでしたし、仮に、そのような事実があったとしても、「やむを得ない事由」とまでは評価されるものではありませんでした。
従って、労働審判では、基本的に労働者側が有利に進みました。
最終的には、勤務先は解雇を撤回し、同日付で退職した扱いとすることとし、半年分の賃金以上の解決金を支払ってもらうことで、和解が成立しました。
本事例に学ぶこと
依頼者にとっては、解雇の事実が撤回されることが非常に重要です。
本件のように、もともと依頼者に非が無いような解雇の場合には、かなり強い態度で労働審判に臨むことが必要だと思われます。