紛争の内容
飲酒中に同席をしていた人物から、後日、飲みの席で暴行等の被害を受けたとの申告がなされた、自分は酔っており記憶がないがおそらく先方の言い分が正しいと思う、刑事告訴等に進まないよう対応してほしいとのご相談でした。
当日の出来事については客観的な証拠がないという状況でしたが、上記を前提に交渉事件の代理人として受任しました。
交渉・調停・訴訟などの経過
まずは私の方から先方に連絡を取り、ご依頼者様に謝罪の意向があることを伝え、今後の進め方についての意向を確認しました。
そうしたところ、被害を受けたことは確かであるが自分でもどのようにすべきかよく分からないとの回答でしたので、双方の言い分を踏まえ合意書を作成して解決する方法を提案しました。
本事例の結末
先方と何度かやり取りを重ね、ご依頼者様が一定の解決金を支払い、先方は刑事告訴等を行わないこと等を内容とする合意書の作成に漕ぎつけました。
合意書に従った解決金を先方に支払い事件終了となりました。
本事例に学ぶこと
飲酒中の出来事については記憶が曖昧で先方の主張していることが事実かどうかよく分からないというケースが存在します。
その場合の対応は事実関係を否定して先方の主張内容を争うか、先方の主張内容は一定認めた上で軟着陸させるかの2パターンに分かれますが、前者は刑事告訴に発展するなどコントロールできない方向に転がることがありますので、その後の展開を踏まえて慎重に対応を検討する必要があります。
弁護士 吉田 竜二