下請法は、多くの弁護士にとって馴染みが薄いものですが、取引内容や取引当事者の資本金によって、下請法が適用されるかどうかが決まり、適用される場合は、当事者間の契約よりも下請法が優先されます。つまり、契約書で決まっていることよりも、下請法の規制の方が優先するので、親事業者が下請事業者との間で、自分に有利な契約書を作っても、下請法に反する部分は無効になってしまいます。
※ 下請法で禁止される行為をしてはならないのが親事業者、下請法によって守られるのが下請事業者になります。

下請法が適用される取引も多いので、親事業者としては注意していないと下請法に違反することになり、公正取引委員会から勧告を受けたり、インターネットで会社名が公表されたりします。半面、下請事業者は下請法を理解していれば、取引条件を改善するために親事業者と交渉する場合に、有力が交渉材料を持つことになります。

下請法で禁止されるのは下記の行為です。
① 受領拒否
② 下請代金の支払遅延
③ 下請代金の減額
④ 不当な返品
⑤ 買いたたき
⑥ 物品の購入やサービス利用の強制
⑦ 報復措置
⑧ 有償で支給された原材料などの対価の早期決済
⑨ 割引困難な手形の交付
⑩ 不当な経済上の利益の提供要請
⑪ 不当な給付内容の変更、不当なやり直し

当事務所では、親事業者にあたる会社からも、下請事業者にあたる会社からも下請法に関する相談を受けることがよくあります。また、顧問会社から、下請法に関するセミナーの開催を依頼されることもあります。