クレーム対応やクレーマー対策は、極めて、頭の痛い問題です。
中小企業においては、クレーム対応やクレーマー対策に、社長や店長などの重要な地位にいる方が自ら対応しなければならない、といったケースも多々見受けられます。
この場合、経営者や店長などが担うべきマネジメント業務に支障が出たり、精神的にも疲労困憊してしまったりするなど、マイナス効果は計り知れません。
クレーム対応
クレームがあった場合、そのクレームは法的に通るものなのかどうかを、まず考えることが重要です。
クレームがあった製品の返品を受け付ける必要があるのかどうか、損害賠償をする必要があるのかどうか、あるいは理由のないクレームなので法的な責任はないのかどうかを、まず見極めて下さい。
その上で、相手がお客様であることを考慮し、ビジネスの視点も加えてどのように対処するのかを決定します。
例えば、厳密にいえば、法的には企業の責任がないクレームであっても、ビジネスの視点から、何らかの補償をして決着をつけるというような場合です。
もちろん、企業の責任はないという判断がありますから、お客様の言うとおりの補償をすることはありません。
法的な責任があるかないかの見極めには、弁護士に相談することが重要です。
弁護士は客観的に状況を分析した上で、法的責任の有無を判断し、過剰な要求から会社を守ります。
また、弁護士を入れて解決する場合、「今後、この件については、一切の請求をしないこと」「間接的な嫌がらせをしたり、悪い風評を流さないこと」などを条件にするなど、後々の副次的な問題が発生することを防止する効果もあります。
クレーマー対策
理不尽な言いがかりをつける、いわゆる「クレーマー」や「モンスター○○」が相手の場合ですが、こちらの場合も、クレーマーのクレームが法的に通るものなのかどうかを、まず考えて下さい。
そして、その判断のためには、やはり弁護士に相談することが大切です。
そして、理由のないクレームであることの確認が持てたら、まずは、クレーマーにどのように対処するのか、社内で意思統一をしてください。
そして、毅然と対応する、クレーマーから逃げない、担当者任せにしないという方針で、クレーマーに対処して下さい。
場合によっては、代理人として弁護士を依頼することも考えられます。
社内で意思統一をし、弁護士に依頼した結果、弁護士が電話で数回やり取りをしただけで、クレーマーが諦めることもあります。
悪質なクレーマーの場合でも、例えば、債務が存在しない旨の訴訟(クレーマーが主張するような損害賠償請求権は存在しない旨を確認してもらう訴訟)を裁判所に起こすなどの法的手続きを取ることによって、問題を解決することができます。