会社が破産する場合、会社が発注していた土木工事はどうなりますか。
この場合、会社(注文者)の破産管財人からも、工事を請け負った業者(請負人)からも、請負契約を解除することができます(民法642条1項)。解除すると、土木工事の出来高部分については、破産する会社の財産となります。請負人が破産手続開始までの間に行った工事に対する報酬・費用については、破産手続の中で配当を受けることになります。
一方、破産管財人も請負人も解除しない場合には、請負契約は依然として続いていますから、破産管財人は、請負人に対して、土木工事を続行するよう請求できます。請負人がこれに応じて工事を続けた場合、破産手続開始決定以降に行われた工事に対する報酬については、破産手続によらずに優先して支払わなければなりません。
さらに、この場合には、破産手続開始決定前の出来高部分についての報酬も、破産手続きによらずに優先して支払わなければならないとする見解が有力です。そのため、破産管財人としては、請負契約を解除して、工事の残りの部分については別途第三者と請負契約を結んで工事の完成をお願いしたりするケースもあります。