紛争の内容
依頼者は、相手方に対し土地を貸していましたが、やがて賃料が支払われなくなりました。そこで、依頼者は土地の明け渡しを求める訴訟を起こし、勝訴判決を得ました。その後、土地については明渡しが実現しましたが未払い分の賃料については、相手方が任意に支払うことはありませんでした。
交渉・調停・訴訟などの経過
いつまでも相手方からの賃料の支払いがないため、依頼者は、約1年前に相手方の預金口座に対し、預金債権の差押えをおこなって,百万円の賃料を回収しました。しかし、それでも未払い賃料の全額を回収することはできませんでした。
そこで依頼者から依頼を受けた当事務所では、弁護士会照会という方法を使って、相手方会社の他相手方会社代表者について、銀行口座の有無とその額を調査することにしました。
その結果、前回と同じ相手方会社の口座がもっとも可能性が高いと判断したことから、前回と同じ預金口座に対して,2度目の預金口座の差押えをおこなうことにしました。
裁判所に対し債権差押命令の申立てをおこない、1週間後には裁判所から債権差押命令が発令されました。
本事例の結末
数日後、相手方が預金口座を有している金融機関からいくらの預金があるかの回答(第三債務者の陳述といいます。)がなされましたが、その預金口座には数万円しか残っていませんでした。最終的には、その預金口座から金融機関が回答した金額分の債権を回収しました。
本事例に学ぶこと
確定判決に基づく弁護士会照会をした上で、最も可能性の高いと考えられる口座を差し押さえました。
結果的には数万円の回収に留まってしまいましたが、弁護士の成功報酬や裁判所への申立て費用を差し引いた結果、依頼者は数万円ではあるものの賃料を回収することができました。そのため、あきらめずにチャレンジしてみてもよいのではないかと思います。