平成28年に,「都市再開発法」が改正されました。現在、各地の建物・設備の老朽化が社会問題となる中で、住宅団地という不動産の中でも特に権利関係が複雑な物件について、第一種市街地再開発事業として団地の建替えを可能とするものです。
市街地再開発事業として施行するには、
「①高度利用地区等内にあること」、
「②区域内の建築物の3分の2以上が老朽化等していること」、
「③区域内に十分な公共施設がない等の事情により、土地開発が不健全であること」
などといった要件を充たす必要があります。
改正後は、再開発組合の組合員の算定方法が見直されており、一筆共有の敷地においてのみで事業をする場合には、各共有者が一人の組合員と扱われます。その結果、これまで住宅団地を一筆の土地として全員で共有していることから議決権の行使に「全員の同意」が必要と考えられていたところ、通常の市街地再開発事業のように組合員数の「3分の2以上の合意」で事業を進められるようになったのです。
高度経済成長期に住宅団地が多く建設されたことから、日本のマンションの戸数のうち住宅団地はおよそ30%程度を占めると推計されています。今後このような改正法が活かされ、都市の再開発が進められ易くなることが期待されています。