質問
1人の従業員から、タイムカードの端数による数分単位の積み重ねによる残業代請求が来ています。
① この場合、従業員全員に自動的に追加払いをすべきなのでしょうか。
② いつまでさかのぼることになりますか(時効など)。
③ この社員は態度が悪く、指示をしたりしてもその通りにやりません。何か取るべき手段はないでしょうか。
回答
①について
時間外労働が生じている場合には,1分単位で計算することになりますので,支払いをするのが原則です。ただし、厚労省の通達によれば,時間外労働の1か月単位の合計について,30分未満の端数があれば,切捨てることも違法ではないとされています。
②について
賃金債権は,2年で時効が完成しますので,2年前の月分まで遡ることになります。
③について
会社としては,普通解雇することが考えられます。解雇の客観的合理性及び社会的相当性があれば,解雇も有効です。もっとも,裁判となった場合にはハードルが高く,例えば社長の指示に従わないことで生じる不利益を具体的に立証する必要もあるでしょう。また、解雇の前に、就業規則に沿って、戒告、減給、出勤停止などの措置を取り、段階的に解雇にもっていくのがよいと思います。