質問
当社の製造品を取引先の倉庫に、(取引先の)月間使用料程度を預けています。今回、その取引先より、預かり在庫を廃止して、必要な製造品を随時配送してほしい旨、依頼がありました。従来は週1回程度の納品でしたが、今後は、ほぼ毎日の納品となってしまいます。
預かり在庫は、下請法に反するでしょうか。また、当社の営業効率の悪化を防ぐ方法はありますか。
回答
下記のとおり、御社の営業効率を維持しつつ,親事業者(相手方会社)の下請法違反を廃除する取引態様としては,『預託方式』(下請事業者が親事業者の指定する倉庫に部品を預託し,親事業者は倉庫から出庫し,使用する方式)を採用することが考えられます。
公正取引委員会のホームページには以下の記載があります。
(支払遅滞の問題の解消)
下請事業者が倉庫に預託した部品のうち,3条書面記載の受領日前に預託された数量の部品については,親事業者又は倉庫事業者を占有代理人として,下請事業者が自ら占有していることとし,3条書面記載の受領日に,同記載の数量の部品の所有権が親事業者に移転することがあらかじめ合意されていれば,下請法上は,倉庫に預託した部品のうち,受領日前の預託数量については,実際の預託日にかかわらず,3条書面記載の受領日に受領があったものとして取り扱う。
(受領拒否の問題の解消)
一般的な預託方式では,親事業者が倉庫から出庫し,使用した数量の部品に対して下請代金の額を支払うこととなり,毎月の下請代金の額を算定するための締切日において,親事業者が実際に出庫・使用した数量が3条書面記載の数量の合計を下回る場合が生じることとなるが,以下の措置が講じられる場合には,下請事業者に不利益を与えるものではなく,下請法第4条第1項第1号(受領拒否)及び第2号(支払遅延)に違反しない。
[1] 当該部品の製造委託が終了する際には,3条書面記載の数量の部品を親事業者がすべて受領すること。
[2] 毎月の下請代金の額を算定するための締切日において,親事業者が実際に出庫・使用した数量が3条書面記載の数量の合計を下回る場合,そのかい離の範囲を親事業者と下請事業者との間で可能な限り最小限の範囲内にあらかじめ合意し,当該範囲を超えて下回る数量がある場合には,締切日に当該範囲を超えて下回る数量を親事業者が受領すること。
[3] 親事業者が実際に出庫・使用した数量と3条書面記載の数量の合計のかい離があらかじめ合意された範囲内であるとしても,そのかい離によって下請事業者に生じる費用(保管費用,運送費用等)は,親事業者が負担すること。